2018年05月21日

FBI Patches

【はじめに】

米軍のパッチは放出品がサープラスショップ等でよく売られていますが、LEについてもパッチの放出品が存在します。

LE系パッチの放出品は日本にあまり入って来ませんが、本国では数多く流通しており、オフィサーはもちろんSWATなどの特殊部隊の部隊章まで、様々なパッチが出回っています。


パッチの放出品は地方の警察だけでなく、連邦機関(国家機関)のものも出回っており、FBIのパッチもコレクターの間では流通しています。
(放出品なので、もちろん“実物”です)



FBIについては装備の放出品がほぼ皆無なため、唯一手に入る放出品とも言っていいでしょう。

オーダーがFBIの職員にしかできないほか、普通に売られているようなデザインではないので、非常に貴重なのです。



【流通について】

FBIのパッチは、多くの場合で職員の知人を通して旧デザインや余剰品などの不用分を、コレクターがまとめて譲り受けたり、買い取ったりする形で初めて外部の手へ渡ります。

例外としてイベントや機会に恵まれ、譲渡により入手されている場合もありますが、こうして入手した方はコレクターでないため、大切な思い出として保管しておくのがほとんどでしょう。
(特にこのパターンは小さい子供がほとんど)


アメリカでは装備品よりもパッチやコインの方がコレクターに人気があり、コレクションを見せ合ったり、交換などをする大会が行われることも多いようです。

また、余りが出るほど多数のパッチを持っているコレクターの中には、ウェブサイトを運営し、そこで交換や販売を行ってることもあります。

こうしたウェブサイトやオークションを通じて、ようやくFBIと接点のない我々の手にも渡るのです。



【FBIのパッチの種類】

FBIで使われているパッチには、主に以下のカテゴリが存在します。

●FBI
●Gman
●SWAT
●Bomb Squad (SABT)
●HRT
●NA
●TF
●記念品

実際は上記のカテゴリから更に細分化され、非常に多くの種類が存在します。

今回はSWATメインに解説するので、その他については簡単に説明します。


●FBI
いくつか種類はありますが、主にFBIの紋章(ロゴ)等のパッチです。
他のパッチの多くにFBIであることを示すデザインが施されているため、あえてロゴのパッチを使用している例はほとんどありません。

●Gman
ひとえにGmanと言えど役職や部署は様々で、それらごとにパッチがあるため、今回はGmanという形にまとめました。
主にJTTFやERT関連で、部署や支局ごとに作られており、デザイン性に富んでいます。
ただ、Gmanらの服装には貼る場所(ベルクロ)がないため、使用例は皆無に等しいです。

●SWAT
細分化が激しく、SWAT用パッチと言うには種類が非常に多いです。逆に言えば、SWATは多くの種類のパッチを使用しているということです。
詳しくはのちほど解説します。

●Bomb Squad
SABTとも呼ばれる爆弾処理班のパッチで、部隊章とパッチパネルの2種があり、出回るのは部隊章のみです。

●HRT
部隊章、パッチパネル、コールサインなど、基本的にSWATと同じですが、ワシントンのみの所属なため支局章はありません。

●National Academy
ギフトショップの土産物や記念品が多いです。

●Task Force
他の法執行機関と協力して作戦を行う際に記念として作成されたものです。合同作戦の度に必ずしも作るわけではなく、ここ数年は作られていないようです。
また、実際に使われている例もなく、士気を上げるために作って終わりの記念品に近いのかもしれません。

●記念品
大きなイベントの警備に参加するときや、特別な作戦を行う際には、パッチやコインが作られることがあります。このほか土産物なども含め、種類はそれなりに多いです。
結局のところSWAT、SABT、HRTのパッチ以外は実際の使用例がほとんどなく、どれも記念品と言ってしまってもいいかもしれません。


このように、通常LE系パッチはオフィサー用と特殊部隊用の二種類程度あるのが普通ですが、FBIの場合は連邦機関であるため、単純にカテゴリに分けてもこれだけあります。

FBIロゴ、Gman用パッチ、タスクフォース含む記念パッチは2010年初期頃まではよく作られていたようですが、装備が変わりはじめた15年以降は作られることも滅多になくなりました。

記憶に新しいものでも、SB50の警備に参加した際のチャレンジコインで、パッチではありませんでした。
パッチでは普段使用しているものとの貼り代えが必要となり、かさばるのが理由として考えられます。(装備的需要はないので別に困らないですが)



【SWAT用パッチ】

話は本題に入りますが、SWATで使用するパッチについて解説したいと思います。


●パッチパネル
●部隊章
●支局章(所属部隊章)
●支局コールサインパッチ
●個人識別コールサインパッチ
●フラッグパッチ


基本的に上記のパッチが“全て同時に”使用されています。

例外はもちろん存在しますが、上記のパッチが欠けることよりも、“その他”のパッチが“加わる”ことの方が多いです。


●パッチパネル
どちらかと言えば、SWAT用というよりもカテゴリとしてはFBIパッチに当たります。

GmanからSWATまで、FBIであることを周囲に示すため、アーマーの前後に必ず貼られるものです。(一部例外あり)

これもまたDBT型、パラク型、JPC型、その他と大別されます。

最も定番なのはDBT型です。ダブルステッチが特徴的で、文字色(RG/黒/黄)の違う3種類が存在します。このほか黄色文字のみのLサイズ、XLサイズのDBT製パッチパネルがあります。

パラク型は2015年以降、SOHPC Gen3と共に納入されてきたもので、シングルステッチで黄と黒の文字色の違う2種類です。

JPC型はメーカー不明ですが、RGとMCの2種類があり、後者は近年になり出てきたものです。FBIではナイロンのレーザーカットがパッチパネルの主流ですが、こちらは珍しい刺繍です。

このほか2016年頃から、装備更新が進むにつれて各支局ごとの装備のバラつきも目立つようになり、パッチパネルもこれまでの特定メーカーに縛られない様々なものが使われはじめています。


●部隊章

部隊章は新旧2タイプが存在します。

これまで長く使用されてきたのが、丸型で鷲の顔とたなびく米国旗が描かれた部隊章です。2014年までは、これが唯一の部隊章でした。

現在でも、この旧丸型は使用されていますが、使用している部隊は徐々に減っています。


2015年から装備更新が始まると、部隊章も新たなデザインとなりました。

FBIのロゴをバックに、SWATが創設された年(1973年)を刻まれた、敵には容赦しないと言うかのような攻撃的表情のSWATを表す鷲。そして米国旗の前に出て、母国の盾となることを示すデザインが特徴的です。

使用例のない試作型、更新後の現在はスタンダードとなった1型(通常)、そのあとに登場した国旗部を更に低視認化した2型の3種類がサブデュードカラー(低視認色)で使われています。
実際に使われているのは、ほぼ1型のみです。


2017年からは、この新盾型のフルカラー版の使用例が確認されはじめました。

必ずしもその通りではないのですが、元々カラー版パッチはGman向けの記念品としてのものがほとんどで、特にSWATの部隊章や支局章のカラー版を使用している方には特徴があり、そして理由がありそうです。

説明が難しいですが、元SWATのアクティブメンバーで、長い経験とそれによる知識を持ち、更に現在でもSWATとしての技術が衰えていない初老の隊員がカラー版パッチを使用しています。

ざっくり言うと、よほどのことでないとSWATとして活動をしなくなった半SWAT半Gmanの名誉SWAT隊員とも言える方が、活動をするときに使用するのがカラー版なのです。


●支局章(所属部隊章)

これは部隊章と併用されるもので、部隊章がFBIの特殊部隊であることを示すのに対し、どこの支局に所属するチームなのかを示します。

部隊章は全部隊統一ですが、支局章は各支局ごとにデザインが異なり、地元のスポーツチームのロゴや歴史に関わるデザインなどが描かれていることが多いです。
メーカーや素材にもバラつきがあり、Gman用同様に豊富な種類が存在します。

基本的にSWAT隊員が使用するのはサブデュードですが、こちらにもカラー版があり、部隊章同様の使用傾向です。


この支局章が国内外で実物として最も多く出回っていますが、その多くが2000年より前に使われていた古いデザインや、そこまで古くなくとも現在は使われていなかったり、フルカラー版だったりと、装備用には絶妙に使い勝手の悪いものばかりなのが難点です。
(こうした中にも貴重なものはありますが)

古いパッチは希少性やデザイン性が優れたものでない限り、コレクターも手放してしまうため、数多く出回るのです。
なので、これらに紛れて売られている、装備に使えるモデルのパッチは本当にレアなものと言っていいでしょう。


●支局コールサインパッチ

先ほどの支局章とは別で、FBIが使用する識別略称に従って、所属支局を2文字で表したコールサインパッチです。

LBT製がほとんどで黒とRG、MCがあります。もちろん例外もありますが、少ないので割愛します。


●個人識別コールサインパッチ

こちらはスタンダードなコールサインパッチで、隊員ひとりひとりに割り振られた識別番号を記したパッチを使用します。

メーカーやカラーについては上記同様です。


●フラッグパッチ

説明不要、定番の星条旗のパッチです。

刺繍、IR、レーザーカットとありますが、刺繍は装備更新以降ほとんど見かけなくなりました。今でも使用例自体はありますが、昔からIRが最もよく使われています。

レーザーカットは、近年になり少しずつ使用例が出てきています。


●その他

その他と言ってしまうと本当にたくさんの種類がありますが、大まかには以下の種類です。

・バッジパッチ
・タブパッチ
・特技章
・ネームタブ/ブラッドタイプ
・モラルパッチ

上記3つはFBIに関連するものです。

バッジパッチはFBIのバッジを型どったパッチで、昔はバッジの代わりなどの意味合いで使用されていたようです。最近は使用例もぐっと減りましたが、これ自体は昔から使用例も少なく、過去現在ともに“たまに使われているのを見かける”程度のものです。

タブパッチは長方形で、鷲のイラストとFBI SWATの文字が書かれたもので、コンバットシャツだけでなくヘルメットに貼られているのも見かけます。こちらも昔から使用例が特に多かった訳ではありませんが、今でも稀に見かけます。


特技章はスナイパーやメディック、K9などの特殊な技能を有し、その役職にある隊員が支局章の代わりに使用するものです。

メディックについてはOperational Medicine Groupという、言わばFBIにおける“メディック連合”のようなグループに属することになるので、全部隊で統一のデザインのパッチが使われています。

スナイパーやK9、ブリーチャーの特技章は各支局ごとに異なります。専用のデザインがあったり、支局章の一部分がそれらの隊員だけ、専門過程をクリアしたことを示す表記になっています。

あるいは、そもそも特技章のない支局もあるようです。ない場合というのは、支局章と併用されるただの小さなネームパッチであるか、本当にそれすらなく、通常の隊員と同じかの2パターンです。


このほかの“その他”については雑多すぎるので、特に解説はしません。





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Posted by テンプラ  at 08:48 │Comments(0)FBI解説/考察

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